「カーンチワラム サリーを織る人」


タミル映画で、ボリウットではないのですが。

介護の末に実の親を殺してしまった、引きこもりの子を殺してしまったというようなニュースを聞くと、私が決まって思い出すのがこの映画です。貧困にあえぐ家族を描いているのですが、映画のラストで父親が直面する絶望が、日本で起きている事件と同じものなんじゃないかなと感じます。

観るのにエネルギーを消耗する暗い映画ではありますが、多くの人に観てもらいたいなと思う作品です。

 

2008年 タミル語 117分 日本語・英語字幕付き

監督 プリヤダルシャン  出演 プラカーシュ・ラージ シュリヤ・レッディ



タミル語は南インド・タミルナードゥ州の公用語。 ムンバイで製作されるヒンディー語映画界とともに、インドの映画産業の中心地のひとつ。日本で一大ブームを呼んだ「ムトゥ 踊るマハラジャ」はタミル語映画。今作は南インドを代表し、ヒンディー語娯楽映画界でも活躍する巨匠プリヤダルシャンの代表作の一本。



舞台は、シルク・サリー生産で有名な南インド・タミルナードゥ州カーンチープラム(カーンチワラム)である。インド独立直後の1948年、手織りシルク・サリー職人が、当時の悲惨な労働環境のもとで、新婚の妻にさえ高価なシルク・サリーを贈ってあげられないほどの貧困にあえぎ、権力にはげしく抵抗ながら生活を改善しようと奔走するすがたをリアルに、しかし美しい画像で描いた佳品。 2008年度ナショナルフィルムアワード最優秀作品賞に輝いたほか、海外でもいくつかの賞を受賞している。残念なことにこの映画が制作されたころから、手織りシルク・サリーは急速にその勢いを失い始めている。(杉本良男)



解 説:杉本良男 (国立民族学博物館・民族文化研究部・教授)

 

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