現地採用から本社採用への切替は可能か?
ナマステ、Nainaです。
先日、「現地採用から本社採用に切り替えることはできるのか」という質問をいただいたので、記事にしてみます。
現地採用から本社採用への切替は可能か?
可能か可能でないかという結論から言うと、可能です。
以前も書きましたが、東芝の西田前社長はイランの現地採用から東芝本体の社長にまで登りつめました。
これは極端な例であるにしても、可能性はもちろんあります。
ただ、どんな会社でも一所懸命がんばったら本社採用してもらえると考えるのは危険かもしれません。
その会社がどのようなスタンスで現地採用という形で日本人を採用しているかによります。
切替が可能なパターン
切替が可能な会社というのは、最初からそのつもりで人を雇っていることがほとんどです。
今は日本もインドも売り手市場なので、採用担当者は優秀な人材の確保に苦労しています。
そのような状況で、採用の窓口を広げるために現地採用という採用形態を活用しています。
私が内定をいただいた会社も、下記のように言っていました。
- 本社の新卒採用では海外志向のある人材が確保できない
- そこで海外志向の強い人材を現地採用で雇う
- 採用した人材を現地法人で育成し、本社採用に切り替える
- 切替後、他国の駐在など海外要員として活躍させる
今の会社には現地採用で働いて2年になる先輩がいますが、その先輩は「そろそろ本社の採用試験受けたら?」と誘いを受けています。
採用試験と言っても現地社長から推薦をもらっているので高い確率で採用されるはずです。
このようなパターンでは、会社の経営状況が大きく変わらない限りは比較的スムーズに本社採用への切替ができます。
ポテンシャル採用という意味合いが強いので、年齢が若いうちのほうがこのような会社へ入社しやすいです。
本社採用への切替が難しいパターン
反対に、本人がどれだけ優秀で意欲的でも、本社採用への切替が難しいパターンもあります。
- 現地採用をコストカット要員としか見ていない
- 現地採用から本社採用へ切り替えるという仕組みが初めから社内にない
このような場合、本社採用への切替は困難になります。
本社採用の可能性を事前に確認しておくべき
上記のように、本社採用への切替は本人のスキル・経験に加えて、採用時の社内の方針が重要になります。
それを後から覆すのは難しいため、採用面接時に確認しておくことをおすすめします。
「こんなにがんばっているのに…」という不満が後から生まれるとお互いに不幸だと思うので。
さらに、本社採用の希望がなくても本社採用の可能性がある会社を選ぶメリットがあります。
- 仕事内容
会社側が本社採用へ切り替えたいと考えているということはそれだけ期待されているということなので、成長につながるような業務ができる可能性が高まります。 - リスクヘッジになる
現在は本社採用となる希望がなくても、考えや人生設計が変わって日本で働きたくなるかもしれません。
その際に、選択肢が一つ増えるというのは安心感があります。
本社採用が目的なら、最初から本社を受けたほうがいい
「現地採用→本社採用というルートは可能である」とここまで書いてきましたが、私自身は特にそれを勧めているわけではありません。
というのも、本社採用が目的なのであれば、初めから本社の採用を受ければいいと思うからです。
そのほうが確実ですし、数年という期間をはさむことなく達成できます。
同じ「海外で働く」にしても本社から派遣される形であれば手当がつくので、金銭的メリットも大きいです。
「本社採用」ということにこだわるのであれば、現地採用はリスクが大きいです。
ここで「そんなの余計なアドバイス。自分次第でしょ」と思うタイプが向いているかもしれません。
下記のような場合は、本社採用を視野に入れつつ現地で働くことにメリットがあるのではないでしょうか。
- 今すぐに海外にでたい(”若手で”海外に出れる会社はあるので、”今すぐに”という場合)
- 行きたい国が決まっている(本社採用では配属・人事リスクがある)
- 恋人・結婚相手が海外在住
- どうしても入りたい会社の採用試験に落ちたので海外からの採用を狙う
現地採用を選ぶ理由は人それぞれなので自己判断してもらったらいいのですが、現地採用である必要があるのかということは考えてみたほうがいいと思います。
結論に戻ると、本社への切替は可能、ただなぜ本社に切り替えたいのかを考えてみるべきというのが私の意見です。
ただ私はけっこう臆病な人間なのでブログでもリスクリスクと言ってしまうのですが、若いうちに勢いで海外に飛び込んでみるのも面白いと思います。
それこそ本社への切替が可能ならリスクはほとんどありません。
その後、駐在員になりました。(2019年5月追記)