教科書に載らないヒンディー語 1
インドで働き始めるまでは、ヒンディー語は封印して英語の習得に努めようと思っていました。
ですが実際にインドに来てみてヒンディー語を聞くと、せっかくインドにいるのだからヒンディー語ももっとできるようになりたいとヒンディー語専攻卒の血が騒ぎ始めました。
町中はもちろん、オフィスでも皆ヒンディー語を話しています。
その中で、こんな言い方をするんだといった気づきを忘れないようにブログに残していきたいと思います。
シリーズ化を目標とします。
内容の充実は私の普段からのアンテナにかかっていますね。
基本的な文法を学習済みの方向けです。
原則
ヒンディー語には二人称が3種類あります。
aap(アープ):丁寧な言い方。目上の人やあまり親しくない人に使う。
tum(トゥム):親しみを込めた言い方。友達に使う。
tu(トゥー):見下した言い方。もしくは、恋人や親しい友人に使う。使わないほうが無難。
の三つです。
学習者である私たちは基本的にaapを使っておくのが無難だと思います。
そして、主語によって動詞の活用が変わってきます。
命令形であれば、
aap check kijie:(あなたが)チェックしてください。
tum check karo:(あなたが)チェックしてよ。
こうなります。
ちなみにですが、命令形での主語の有無は英語のニュアンスと同じです。
主語をつけると「私でなくあなたが」というようなニュアンスが生まれます。
文法書に載らない表現
ここからが本題。
実際には上記の原則から逸脱した「aap + tumの活用」のパターンが多く聞かれます。
これにより、丁寧さと親しみの両方のニュアンスが出てきます。
例文を出しますが、日本語訳がとても難しいです。
~くださいと丁寧語で訳すのが一番近いかな、と思います。
年上の人にも使えます。職場でも使われてます。
(bossに対して使えるかと言われると微妙。要調査)
(例)
aap check karo:チェックしてください。
aap batao:教えてください。(この後に質問が続く)
aap aisi baat mat karo:そんな話しないでください。
さらに最後に「na」をつけるとより親しみを込めた言い方になります。
私は職場では英語のみを使うようにしていますが、「na」だけは後ろにガンガンくっつけてます。
そして誰もそれを不自然に思っていないのが面白いところ。
命令文が分かりやすいので例に使用しましたが、命令形以外も使えます。
(例)
aap dance karte ho:ダンス(日常的に)するんですね。(言い方次第では、するんですか?)
aap malviya nagar me rehte ho:マルビヤナガルに住んでるんですね。
使ってみてください
私は、外国語学習者は丁寧な言葉を使うべきという立場をとっています。
理由は単純で無自覚に失礼なことを言って相手を不快にさせたくないからです。
ですがその言語に慣れてくると、ニュアンスというものが感じ取れるようになります。
そうなったとき、私はより自然な言葉を使うために、そしてより相手と親しくなるために少しずつ言葉を崩していきます。
今回取り上げた「aap + tumの活用」も、その一つです。
この表現はよく聞きますし、丁寧さと親しみの両方があって素敵だと思うので使っています。